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編集便り

パン菓新聞社記者がちょっといい話をお届けします

喜福堂(東京都・豊島区)

街のパン屋さん

あんぱんを看板に創業100年
新社長で一族経営を越える

1外観2 

巣鴨のとげぬき地蔵尊・高岩寺の
向かいにある老舗のパン屋さん。
創業100周年を迎えて息子の金子幾雄さんが
4代目社長に就任、新体制で
心機一転の101年目のスタートです。 

あんぱんの誕生は
二代目のあんこ×三代目のパン
高齢者や観光客に人気の地蔵通りですが、
平成生まれの地元小学生ファンもいる人気店。
創業は大正5年、初代の喜三郎さんが
深川で開業し巣鴨へ移転、
昭和36年に屋号を「喜福堂」と改めました。

3店内 

和菓子職人だった二代目八三郎さんの代になり、
製餡所を訪ね選んだこだわりの小豆を自ら炊き、
毎日手で練り上げていた餡が
現在の看板商品へとつながります。

パンを本格的に製品化したのは、
洋菓子を学びパンの道を選んだ三代目房義さんで、
「二代目の餡」×「三代目のパン」が合体して
ついに『喜福堂のあんぱん』が誕生しました。

4つぶあんぱん1 
5あんパン断面
『つぶあんパン』(200円)は現在まで
レシピを継承。美しい紫色の餡はコクが
ありながらすっきりした味わい
『こしあんパン』とは人気を二分しており、
各ミニサイズ(160円)もあります


忠実な継承を軸に、次の時代へ
『喜福堂のあんぱん』が
長年愛される秘密とは? 

「純度の高い氷砂糖を使うことで
 コクと艶のある上品な餡に仕上がり、
 焼き立てでは液体のようにトロッとした質感に、
 冷めるとパン生地とバランスが
 ちょうどよい硬さに落ち着く」

とのこと。
餡は“練り”が品質を決めるため、
これまで代々店主が練ってきましたが、
新体制では製造スタッフが担当します。

あんぱんと並び長年の売れ筋に『クリームパン』もあり、
こちらもクリームの硬さがこだわり。
パン生地は、あん・クリームパン用、食パン、フランスパンも
全て当日仕込みで、菓子パンは少量ずつ焼成するため
常に湯気の上がる焼き立てを購入できます。

7クリームパン 
人気商品『クリームパン』(160円)の
カスタードはしっかり目ながら軽い食感で、
毎日7回以上炊き上げるとのこと

8食パン 
『喜福堂食パン』(一斤330円)はきめの細かい
しっとり感が特長。常連客の一番人気なので、
食パン生地を使った新商品開発も進める予定です


幾雄社長は、

「今があるのは先代たちのレシピのおかげ。
 これが無ければ先の100年は迎えることが
 出来ないので、まずは忠実な継承を大事にして、
 さらにこのおいしさをどう届けるか、
 お客様の笑顔を増やし楽しませる、
 時代に対応したマーケティングが勝負どころ」

と話します。(※価格は税別)
(2016年4月15日号掲載)


【ショップ情報】
住所:東京都豊島区巣鴨3-17-16
(JR山手線・都営三田線巣鴨駅徒歩4分)
営業時間:10時~19時
(休み:月・火)
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